体温 この世界の最後のときを ぼくは一人で生きようと思った 誰かの最後の一瞬を誰にも 後悔なんてさせたくなかったから ぬるい浴槽にゆったりとつかって いつまでもいつまでもゆったりとつかって ひとつ くしゃみをして いつまでもいつまでも微熱が続く そしてそれはいつかぼくを捕らえて 内から食い散らかしてきた やさしい嘘をついた振りして いつも傷をつけてきた 助けてと叫んで叫んで 本当は叫んでなくて そんなで誰が気づくの この汚れた手に 助けてと叫んで叫んで 本当は叫べなくて それで何故気づけたの 君だけが つないだ手 そしたらやっと知った だから君がすきなの。 雨に打たれるぼくを しかってくれたから泣けたんだ 涙をこらえるぼくを 抱きしめてくれたから安らいだ くちづけひとつ 新しい息吹 やさしいやさしい温もり くれた この世界の最後のときを 二人で生きたいと初めて思った ぼくがきみを愛し きみに必要とされる わがままを言いたくなったのさ 今は傷つく勇気もあるよ