オープンソース/コピーレフト的な環境でインターネットとデジタルコンテンツを使用し, 芸術作品制作を助けるWebデータベース・システムを構築するプロジェクトです。 なお,MNGは," MNG's Not GNU "の再帰的頭字語で,「む・ん・ぐ」と発音します。
カノン・プロジェクト | カノンをもちいた、音楽の新しいコミュニケーションの形を模索, 提案することを目的とするプロジェクト。 |
X-Project | 作曲家 黒沢大佑が製作した無料音楽素材楽曲提供サイトです。 様々な用途に使用できる著作権フリーの無料音楽素材MIDI,MP3を提供しています。 |
INCREASE | システムミュージシャン穴山大輔が運営する芸術コンテンツにコピーレフトを導入したWebデータベースシステムです。 コンテンツ利用者と著作者の需要と供給を効率的に結びつけ、創作の連鎖を活性化するバーチャルコミュニケーション空間を構築します。 |
kuhaLABO Art Archive | 久原研が提供する音楽公開サイトです。クラシックのアレンジ,MIDIオリジナル小品,ギター弾き語りなど様々な音楽を公開しています。 |
著作権は印刷技術とともに生まれました。印刷は紙というメディアに著作物を大量に複製する技術です。 そして,出版業者は著作者から著作物を複製する権利(コピーライト)を得てはじめて出版することができたのです。 この時点で,著作権は出版業界だけを制限する制度ではあっても,読者に著作物の使用を制限することはありませんでした。 また通常の読者は著作物を複製するためには,紙に筆写するしかなく, このことで著作権の違反を問われることもありませんでした。
その後,著作物のメディアとしてデジタル技術とネットワークが登場してから状況は変わりました。 デジタル技術によって,書籍,プログラム,音楽,画像,映像といった様々な情報を扱えるばかりか,簡単に複製や改変が可能になりました。 さらに,ネットワークによって,今まで受身であった多くの利用者に,著作物の流通,発信,共有の機会を与えることになりました。
しかし,このデジタル技術とネットワークの利便性が著作権制度と衝突し,最近では著作権の過剰な行使によって複雑な問題が生じてきました。 その背景には著作権制度がコンテンツ配給業者に有利な方向に強化されていることが指摘され, 結果として,利用者側のコンテンツの自由な共用が妨げられているのが現状です。
たとえば,自主制作の映画を撮影した経験のある人なら実感しているかと思いますが, 映像内に他者の著作物が入っていないか,またBGMに使う音楽の著作権の所有者は誰かなど なにかと不自由な状況が現実になってきています。 特に,インターネットが一般化してからは,問題が表面化し, 著作権者の立場からコンテンツの流通を制限するために,送信可能化権や公衆送信権のような新しい権利も設定されました。
著作物が安易に複製,配布されると,配給業者が経済的損失を被ることは事実です。 とはいっても,優れた芸術や科学技術は過去のコンテンツの共有がなければ発展することはありません。 著作物の利用が制限されるにつれ,本来なら多くの人に見聞され, 人類の知的発展に貢献するはずの著作物の自由な流通が妨げられ, 新たな創作の可能性が阻害されるのは残念なことです。