blog - 夏休みお勧め書籍
西洋音楽史―「クラシック」の黄昏,岡田 暁生(著)
音楽が時代背景とともにどのように変遷してきたのかが興味深く書かれている。音楽に限らず人間の芸術表現がその人の生きた時代に影響されており,歴史という時間の流れの中で作られてきたのだということを気づかせてくれる。
フェルマーの最終定理 (新潮文庫),サイモン シン (著)
数学が苦手だが、芸術表現に応用したい人が、数学の美しさや面白さを知ってもらうためによい書籍。筆者のシンは、フェルマーの最終定理をテーマとしたBBCのドキュメンタリーテレビ番組を制作したが、本著作はそれを書籍にしたもの。一般人には敬遠されがちで素人には難解な高度な数学を、徹底的に取材し、興味深く扱う表現力と構成力は目を見張るものがある。
古代ギリシャのピタゴラスから始まり、17世紀のフェルマー、その後のオイラー、ガウス、ガロア、また日本人数学者の谷山、志村など数学の歴史を概観し、数学の魅力とそこに見られる人間のドラマが記述されている。
古代エジプト人やバビロニア人が実用面で数学を利用していたのに対し、ピタゴラスは数学の持つ美しさに関心を持って研究していたとのこと。また、フェルマーは仕事は裁判所関係で、まったくの趣味で数学をやっていたので、業績を公表したり、名声を得ようなどとは思っていなかったが、息子が父のメモ書きを編纂して出版したため、フェルマーの最終定理が日の目を浴びたことも興味深い。
封印されたミッキーマウス ,安藤健二 著
ミッキーマウスの著作権について、独自の取材に基づく興味深い結論が論じられている。
1987年の滋賀県大津市の小学校生が卒業記念にプールの底にミッキーマウスの絵を描いたところ、ディズニーから著作権の侵害だとして抗議され、子供たちは作品を塗りつぶさなければならなくなった事件は、サンケイ新聞や週刊金曜日にも取材された話だ。この書籍は、その真相を追うと同時に、実はミッキーマウスの著作権は日本では、1989年に終わっており、すでにパブリックドメイン(著作権フリー)になっているとの指摘をしている。実際に、ファンタジア、ダンボ、ピーターパンなどのDVDが、ディズニーと関係のない会社からパブリックドメインとして500円程度で売られているが、ディズニーからクレームは一切ないとのこと。
ちなみに、日本では団体名義の映画の著作権保護期間は公表後50年、ただしアメリカの戦前作品は敗戦加算で10年延長となっている。ミッキーの初登場映画「蒸気船ウイリー」は1928年公開なので、日本では保護期間が1989年に終わっている。ディズニーは著作権について厳しい会社として知られており、勝手に使ってはいけないものの代名詞としてミッキーマウスが語られることが多いので、これは意外な事実。
ミッキーマウスは著作権的には日本ではパブリックドメイン、つまりフリーだが、商標登録されている。そもそもパブリックドメインの著作物は、誰でも自由に使う権利があるはずだが、商標登録して独占利用していいのだろうか。たとえば、ダビンチのモナリザをどこかの会社が商標登録して、独占利用することが許されるのだろうか。どうも知的財産権がらみの話は矛盾に満ちている気がする。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる 梅田 望夫 (著)
GoogleやAmazonがYahooや楽天と大きく違う点の例から,Web2.0の面白さを解説している。インターネットのAPIでもアメリカベンチャーが一歩進んでいるのことを実感させられる。
日本文化の模倣と創造―オリジナリティとは何か,山田奨治(著)
「オリジナル」が正しくて「コピー」が間違っているという既成概念を覆すユニークな本。現在の著作権の行使の行き過ぎに疑問を投げかける一冊。これからのデジタルメディアの時代にはこのようなモノの見方をぜひとも持って欲しいものです。
ワインの自由,堀 賢一 (著)
ワインが難しいと思っているそんなあなたにお勧め。ワインに関する偏見,先入観,権威から自由にしてくれる1冊です。
「複雑系」とは何か,吉永 良正 (著)
複雑系について,わかりやすく解説している良書.プロローグでは,ジュラシックパークの1シーンの例から始まり,読者をひきつけていく.これまでの科学的な手法を覆す複雑系の面白さが身近な例や歴史,応用の可能性などとともに描かれており,ぜひ読んでみたい1冊.
MNGプロジェクトのコピーレフトなアーティストたち―デジタルコンテンツの著作権とメディア革命―,久原泰雄(著)
著作権に関する見方が変わる面白い本。デジタルコンテンツにコピーレフトの考え方を適用したプロジェクトの紹介。著作権の過度の行使が生み出す弊害やメディアの革命について書かれている。グーテンベルクやデジタルカメラの説明が面白い。
MNGライセンスでコンテンツを提供しているkuhaLABO Art Archiveなどが紹介されている。
音楽が時代背景とともにどのように変遷してきたのかが興味深く書かれている。音楽に限らず人間の芸術表現がその人の生きた時代に影響されており,歴史という時間の流れの中で作られてきたのだということを気づかせてくれる。
フェルマーの最終定理 (新潮文庫),サイモン シン (著)
数学が苦手だが、芸術表現に応用したい人が、数学の美しさや面白さを知ってもらうためによい書籍。筆者のシンは、フェルマーの最終定理をテーマとしたBBCのドキュメンタリーテレビ番組を制作したが、本著作はそれを書籍にしたもの。一般人には敬遠されがちで素人には難解な高度な数学を、徹底的に取材し、興味深く扱う表現力と構成力は目を見張るものがある。
古代ギリシャのピタゴラスから始まり、17世紀のフェルマー、その後のオイラー、ガウス、ガロア、また日本人数学者の谷山、志村など数学の歴史を概観し、数学の魅力とそこに見られる人間のドラマが記述されている。
古代エジプト人やバビロニア人が実用面で数学を利用していたのに対し、ピタゴラスは数学の持つ美しさに関心を持って研究していたとのこと。また、フェルマーは仕事は裁判所関係で、まったくの趣味で数学をやっていたので、業績を公表したり、名声を得ようなどとは思っていなかったが、息子が父のメモ書きを編纂して出版したため、フェルマーの最終定理が日の目を浴びたことも興味深い。
封印されたミッキーマウス ,安藤健二 著
ミッキーマウスの著作権について、独自の取材に基づく興味深い結論が論じられている。
1987年の滋賀県大津市の小学校生が卒業記念にプールの底にミッキーマウスの絵を描いたところ、ディズニーから著作権の侵害だとして抗議され、子供たちは作品を塗りつぶさなければならなくなった事件は、サンケイ新聞や週刊金曜日にも取材された話だ。この書籍は、その真相を追うと同時に、実はミッキーマウスの著作権は日本では、1989年に終わっており、すでにパブリックドメイン(著作権フリー)になっているとの指摘をしている。実際に、ファンタジア、ダンボ、ピーターパンなどのDVDが、ディズニーと関係のない会社からパブリックドメインとして500円程度で売られているが、ディズニーからクレームは一切ないとのこと。
ちなみに、日本では団体名義の映画の著作権保護期間は公表後50年、ただしアメリカの戦前作品は敗戦加算で10年延長となっている。ミッキーの初登場映画「蒸気船ウイリー」は1928年公開なので、日本では保護期間が1989年に終わっている。ディズニーは著作権について厳しい会社として知られており、勝手に使ってはいけないものの代名詞としてミッキーマウスが語られることが多いので、これは意外な事実。
ミッキーマウスは著作権的には日本ではパブリックドメイン、つまりフリーだが、商標登録されている。そもそもパブリックドメインの著作物は、誰でも自由に使う権利があるはずだが、商標登録して独占利用していいのだろうか。たとえば、ダビンチのモナリザをどこかの会社が商標登録して、独占利用することが許されるのだろうか。どうも知的財産権がらみの話は矛盾に満ちている気がする。
ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる 梅田 望夫 (著)
GoogleやAmazonがYahooや楽天と大きく違う点の例から,Web2.0の面白さを解説している。インターネットのAPIでもアメリカベンチャーが一歩進んでいるのことを実感させられる。
日本文化の模倣と創造―オリジナリティとは何か,山田奨治(著)
「オリジナル」が正しくて「コピー」が間違っているという既成概念を覆すユニークな本。現在の著作権の行使の行き過ぎに疑問を投げかける一冊。これからのデジタルメディアの時代にはこのようなモノの見方をぜひとも持って欲しいものです。
ワインの自由,堀 賢一 (著)
ワインが難しいと思っているそんなあなたにお勧め。ワインに関する偏見,先入観,権威から自由にしてくれる1冊です。
「複雑系」とは何か,吉永 良正 (著)
複雑系について,わかりやすく解説している良書.プロローグでは,ジュラシックパークの1シーンの例から始まり,読者をひきつけていく.これまでの科学的な手法を覆す複雑系の面白さが身近な例や歴史,応用の可能性などとともに描かれており,ぜひ読んでみたい1冊.
MNGプロジェクトのコピーレフトなアーティストたち―デジタルコンテンツの著作権とメディア革命―,久原泰雄(著)
著作権に関する見方が変わる面白い本。デジタルコンテンツにコピーレフトの考え方を適用したプロジェクトの紹介。著作権の過度の行使が生み出す弊害やメディアの革命について書かれている。グーテンベルクやデジタルカメラの説明が面白い。
MNGライセンスでコンテンツを提供しているkuhaLABO Art Archiveなどが紹介されている。