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カールストーン氏特別講義

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執筆 : 
kuha 2009-07-15 14:16
本日、特論でカールストーン(Carl Stone)氏が講演をしてくださった。彼は、アメリカを代表する実験音楽の作曲家で、コンピュータ音楽の先駆者の1人でもある。

ストーン氏は、カリフォルニアの大学を卒業後、ラジオ局で働いていた頃、局にあったLPレコードの巨大なライブラリを素材として音楽を合成する試みを始めたとのこと。1979年に作られたsukothaiという曲はチェンバロのソロ演奏のフレーズを音源として、ディレイをかけたものを別トラックに録音し、原音とディレイ音とでLRの2チャンネルの音とする。それにまたディレイをかけて別トラックに録音し、LRの2チャンネルの音とすることによって、4トラックの合成となる。これを10回繰り返し、2の10乗(=1024)トラック分重ねたものである。

最初は、チェンバロのきびきびした1分半のフレーズが、だんだんとディレイを重ねるにつれ、細かいところが削られ、別のサウンドの塊が出現する面白い構成となっている。14分半の大作。

また、Al-Noorという楽曲はベトナムの子守唄を素材としている。女性ボーカルの声をWaveformの加工をして、徐々に別の音楽へ変化していく。

ストーン氏の音楽作品は、以下のWebサイトから聞くことができる。
http://www.sukothai.com/v.2/CSMusic.html

このサンプリング手法が彼の作曲スタイルの始まりであるとのこと。
こういったサンプリングやディレイを使用した音楽生成は、Max/MSPを使えば、比較的、容易にプログラミングできるが、彼は当時これをテープレコーダでやったとのこと。

講演の最後の質疑応答では、学生から活発に質問がなされた。普段より質問が多く出たので、学生も大いに関心を持ったのであろう。

講演後、学食で一緒に昼食をとったが、とても気さくな人だった。

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