blog - 201206のエントリ

ボーカロイド講座

カテゴリ : 
イベント
執筆 : 
kuha 2012-06-30 09:25
ボカロPとして活躍しているぺぺろんPこと虹原ぺぺろん氏によるボーカロイド講座が以下の予定で開催された。

日時
6/22(金)18:20から
6/25(月)18:20から1時間半ほど
6/29(金)18:20から1時間半ほど
いずれも5限終了後1時間半ほどの時間

場所 デジタルスタジオ4L

約40名の学生が参加。
インタラクティブメディア学科の学生対象だが、他学部・他学科も受け入れた。
大学院メディアアート研究科 2名
映像学科 1名
アニメーション学科 1名
ゲーム学科 1名
マンガ学科 3名
メディア画像学科 2名
コンピュータ応用学科 2名

学年ごとのの人数は、1年11名,2年18名,3年9名,4年1名,院2名

出席者は、PC,デジタルメディアの基本的操作はできるのだが、作詞・作曲・DTM経験には差があった。

計3回の講座の内容は以下の通り。
第1回 VOCALOIDのエディター、各種パラメータ操作
 「鉄道唱歌」の入力練習。
 メインメロディの歌詞の入力と「しゅっぽ」のバックコーラスの入力。
第2回 伴奏データに、作詞してボカロ曲を制作
 バッハのメヌエットに歌詞をつける。
 宿題:"Someday My Prince Will Come"(白雪姫より)に歌詞をつけてボーカロイドで入力する。
第3回 メロディの創作
 慣用的なコード進行とリズムの伴奏パターンが与えれ、
 言葉のリズム、イントネーションからメロディを創作。
 コードの構成音からメロディとハモリを創作。

講座の資料の中にあった一節で、

 メロディは音楽的な語法を持たなくても誰もが心の中に育まれている。
 この誰もがもっている心のメロディを、ボーカロイドという新しい音楽語法で、あなたの音楽を創作してみる。

というのがあったのが印象的。ボーカロイドは歌詞を使うので、言葉からメロディという創作方法のツールとして使うこともできる。

そして、最終課題として、ボカロ・コンテストが企画された!
スマホは何を手がかりに音を聞き分けるか?
~メディア探索技術における音の分析方法について~

6/20(水)の総合メディア概論は、NTTコミュニケーション科学基礎研究所の泉谷知範氏でした。彼は私の大学院時代の後輩に当たります。彼の勤めるNTTの研究所は、工芸大の厚木キャンパスと車で5分程度の目と鼻の先なので、散歩がてらに来てもらいました。

意外と面白かったのが、NTTの会社組織の話です。NTTという会社は実は、事業をほとんどやっていなくて、NTT東日本、NTT西日本、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモなどの会社の持ち株親会社であるとのこと。唯一NTTが持っている事業所が、研究所だそうで、NTTの社員とは、ほとんどが研究所の社員ということになるそうです。

さて、泉谷氏は現在、音楽情報検索が専門で、スマートフォンなど携帯端末のカメラやマイクを利用して、音楽や映像の検索をする技術を開発しておられ、今回は,主に音を使って音楽やテレビ番組などを探索する実演デモなどで、最新の技術などを紹介し,そこで使われている音の分析方法の基本について解説されました。

CDの曲名やタイトルなどがネット経由で自動で入力される仕組みは、曲の秒数だけで検索しているそうです。

音の検索自体は、結構いろんなサービスがあり、mobion music(2011), Shazam(2008), あてメロ(2005-2007)などがあります。

音の検索の基本として、波形が違っても人間に聞こえる音は同じという根本原理を矩形波の例を使って実演しておられました。要するに人間は、波形を聞いているのではなく、周波数構成、スペクトログラムを聞いているのだという説明です。この事実は、改めて面白いですね。

さて、Aphex Twin の Windowlicker が紹介されていて、アーティストがスペクトログラムの中に画像を埋め込んだ音楽を見せていました。ノイズミュージックでは、有名な人です。

課題は、10年後のスマホはどうなっているかというもの。10年前には、現在のスマホはまったく予測不可能だったので、10年後のスマホって本当に分からないですよね。

特別講演:歌声合成技術VOCALOIDと新しい音楽

カテゴリ : 
イベント
執筆 : 
kuha 2012-06-13 10:19
ボーカロイドの生みの親であるヤマハの剣持秀紀 氏がインタラクティブメディア学科で講演を行ってくださいます。
ボーカロイドにまつわる興味深い話が聞けるはずです。ボカロ・ファンは必見(聴)です。

講演タイトル:「歌声合成技術VOCALOIDと新しい音楽」

概略:最近、歌声合成技術が注目を集めている。歌声合成システムを
使って作られた楽曲を好んで聴く人々も増えている。
本講演では歌声合成技術の歴史を紹介した後、歌声合成技術VOCALOID
の技術詳細について説明し、そこから生まれてきている新しい音楽の
流れについて考察する。

日時 6月13日水曜11:00-12:30(90 分)
授業名:「総合メディア概論」
講演場所:東京工芸大学厚木キャンパス 2号館1階 大講義室(211教室)

レビュー

話し声の合成と歌声合成は、それぞれ違うが、別の難しさがあり、いずれも難しいとのこと。楽器などの音はかなりコンピュータで再現できるが、人の声が最後の砦だそうだ。

「制作ツールが変わると、作られる音楽が変わる」ということの例として、ベートーヴェンのピアノソナタの音域を一覧して、ピアノの鍵盤数の増加と関係している点と、ミレニアムにちなんでレコード4社の提携企画として出された1970年から1990年までのヒット曲が収められたCD集「青春歌年鑑」の曲の推移が挙げられた。79年と80年の間に変化があり、YMOに代表されるテクノが音楽に影響を与えたとのこと。

ボーカロイドの出現で、音楽制作と視聴のあり方が大きく変わり、今は過渡期なのだという。

それにしても、歌手さんから歌声をサンプリングしてからライブラリーに仕上げるまでの調整が3ヶ月もかかるとは驚き。UTAUなどのフリーの歌声合成ソフトだと、ライブラリーもユーザが作成可能だが、ボーカロイドは品質維持のため、ライブラリー作成ツールは、公開しない方針だそうだ。

ところで、録音すべき音と音のつながりは、日本語だと500通りだが、英語は2500通りになるとのこと。そういうわけで、サンプリングベースの歌声合成は日本語が有利ということかもしれない。
スポンサードリンク
検索

blogカテゴリ一覧

blogger一覧

blogアーカイブ