blog - 201306のエントリ

VOCALOIDを人間の歌声に近づける

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執筆 : 
kuha 2013-06-10 06:19
6/9(日)の工芸大のオープンキャンパスでぺぺろんP氏のボカロ特別講義がありましたが、とても興味深いものでした。要は、「ボカロの歌声と人間の歌声の特徴の違いを理解して、ボカロを人間に近づけるようにパラメータを調整する」ということです。今回、扱われたのは、ピッチと音量変化と子音(特に破裂音)の長さで、これらを調整するだけで、かなり人間に近くなるとのことでした。

まず、ピッチですが、ボカロは発音の最初から正確にピッチを合わせて歌うのに対して、人間は目標のピッチのやや下から入って合わせるという特徴があります。したがって、Pitch bendなどを使って、発音し始めをチョークアップのような仕方でピッチを微妙に調整させます。
長音のビブラートの係り具合も、調整できるので、これも効果があります。

次に音量変化ですが、ボカロは長音でも音量変化はあまりなく、一定の音量を保って歌うのですが、人間は長音だと後半で音量が変化(多くの場合、減少)する傾向にあります。したがって、音の後半の音量変化を下げ傾向にすると、人間の歌い方に近くなります。この音量のパラメータはボーカロイドでは、Dynamicsといい、MIDIで言うExpressionに相当します。

3番目は子音の長さです。特に破裂音の子音は、時間を短くすると歯切れよくなり、人間の歌い方に近づきます。なお、子音の発音時間の長さをボーカロイドでは、Velocityといい、MIDIのVelocity(ノートの鍵盤を叩く早さ、すなわち音の強さ)とは意味が違うので注意が必要です。

1つ1つの調整は些細なことなのですが、こういった微妙なパラメータの調整を地道に積み重ねていくでと、クオリティーがどんどん上がっていくということです。この点ではMIDIの打ち込みで楽曲を作っていくことと似ているといえます。
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